脛骨軟骨異形成症(Tibial dyschondroplasia)

花

 
 

骨の病気 脛骨軟骨異形成症(Tibial dyschondroplasia)

 
脛骨および中足骨の近位骨端に異常な軟骨塊を形成するブロイラーの疾病である。
鶏軟骨異形成症、また、 骨軟骨症と呼ぶ国もある。

 
 

【発生状況・症状】

特定の銘柄あるいは鶏群では1~10%の多発をみることもあるが、わが国のブロイラーでは0.1%以下のことが多い。

雄鶏での発生率が高い。

4~6週齢で発生が急に多くなる。

病変を持つが発症のない潜在病鶏も多い。

多くは両側性に膝関節が腫れ、O脚あるいはX脚を呈し歩行を嫌う。

あるいは、起立不能となり削痩する。

 
 

【病変】

脛骨および中足骨の近位骨頭が腫脹し、ときには湾曲、 骨折する。

腫大した骨頭では骨端軟骨層に舌状の異常な軟骨塊が形成されて、骨幹海綿骨から髄腔にかけて侵入している。

この軟骨塊は骨形成にあずかる増殖軟骨層の一部から発生し、 骨化に至らず残存し骨形成を阻害する。

そのため骨頭部の湾曲、骨折をもたらす。

この異常軟骨は胎児性軟骨に類似し、骨化に必要な血管の進入が不完全である。

 
 

【発病要因・診断・防除】

ブロイラーの旺盛な発育に関連して特定の系統鶏で高い発生率を示し、遺伝的素因が病因である。

飼育床面の性状も発病率を高める。

このほか、実験的には飼料中に混入する Fusarium roseum (真菌) およびその毒素あるいは高濃度の塩分が発病率を高める。

症状と脛骨近位骨頭における異常軟骨を確認することで診断される。

鶏銘柄の変更、飼育床面の改善、飼料の変更により発病を少なくする。

(参考文献:「鳥の病気」 島病研究会編)