ロイコチトゾーン症
ロイコチトゾーン症は住血原虫(ロイコチトゾーン・カウレリー)の寄生によって起こる病気で、ニワトリヌカカという蚊の一種によって媒介されます。 そのため、ニワトリヌカカの発生シーズンがロイトチトゾーン症の発生と一致します。
ロイコチトゾーン症の発生
ロイコチトゾーン症は住血原虫(ロイコチトゾーン・カウレリー)の寄生によって起こる病気で、ニワトリヌカカという蚊の一種によって媒介されます。
そのため、ニワトリヌカカの発生シーズンがロイコチトゾーン症(以下ロイコと略)の発生と一致します。
ヌカカの発生は4月下旬から11月にかけて南の方からその発生がはじまります。
ロイコの多発は夏中心で、5月~10月に多くみられます。
発生の鶏齢は、幼若なものから老鶏に至るまで、各年齢のものに、また雄、雌に関係なく幅広く感染します。
病状
「夏の緑便はロイコと思え」といわれるくらい、一番目につくのは緑便です。
幼・中・大雛などは貧血した白っぽい顔をして、ボーッとたたずみ、目をつむり、時に喀血(口から血を吐く)して死んでいきます。
その小屋の中には、濃緑色の下痢便がみられます。
■緑便はあっても、まったく呼吸器症状はありません。
これが悪性呼吸器病との違いです。
■マレック病も緑便をしますが、集団的に一度に発生しません。
ロイコは群全体に緑便がみえます。
成鶏では、産卵低下、軟卵、トサカの貧血、急死などがありますが、やはり緑便が一番目についてきます。
ロイコの診断
血液をとって顕微鏡検定(ロイコ原虫の検査)をすれば、すぐに診断出来ます。
治療と予防
(1)薬剤と添加
餌に予防薬を添加します。
特効薬に効く薬剤はピリメタミン剤です。
現在市販されているものは、ピリメタミンとサルファ剤の合剤です。
餌に薬を添加し毎日食べさせます。
治療にも同じピリメタミンサルファ剤を使いますが治療にあたっては、1000倍散を0,1パーセントより0,15%ぐらいに多くして、緑便が消えるまでつかい、その後、0,1%で連用してください。
毒性は全くありません。
(2)殺虫剤の散布
ロイコはニワトリヌカカが媒介するので、殺虫剤で定期的に鶏舎の内外を散布します。
(3)環境の整備
整理整頓に始まり、側溝の掃除などを行って少しでもヌカカの発生や生息源を減らして下さい。
通風の良い鶏舎は被害も少なくてすみます。
■クモの巣除去、通路の掃除によって風通しをよくすることは、他の病気予防にも共通しています。
衛生環境づくりに心がけて下さい。
2011 vol.80 ザ・ポウルトリーより引用