クロストリジウム感染症(壊死性腸炎)

クロストリジウム感染症(壊死性腸炎)

ウェルシュ菌に汚染された飼料や敷料を鶏が経口的に摂取し、その菌が小腸内で増殖することにより引き起こされる感染症です。

病因と発生

ウェルシュ菌に汚染された飼料や敷料を鶏が経口的に摂取し、その菌が小腸内で増殖することにより引き起こされる。

腸粘膜に傷害をもたらす要因(コクシジウム、ウェルシュ菌の多数寄生、高繊維質の敷料など)が存在した場合や、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスの感染により、鶏の免疫機能が低下した時などに本病が発生しやすくなる。

野外例では、2週~6ヶ月齢の鶏、七面鳥、ウズラ、キジなど発生したことが報告されている。
なかでも、平飼いの2~5週齢のブロイラーに多く認められている。

年間のうちで温度、湿度が上昇する4~9月に発生が多い。
過去に発生した鶏舎では、消毒が不十分な場合再発する傾向がある。

発病率、死亡率は治療により大きく左右され、1%以下から60%以上に及ぶ。

症状と病変

食欲の減退に始まり、歩行を好まず、羽毛を逆立てる。
著名な貧血も観察される。

赤褐色ないし黒褐色のタール状の便を排泄し、糞便中に腸粘膜組織片が混入している。
元気消失し、著しく衰退した鶏は、短時間の経過で転帰をとる。

症状、病変が類似するものに、潰瘍性腸炎(うずら病)、コクシジウム症、およびヒストモナス症(黒頭病)がある。

予防・治療

発病群に対する早期のペニシリン系、テトラサイクリン系などの抗菌剤の経口投与(特に飲水)が有効である。

予防には、鶏舎内の消毒を徹底し、本病の誘発防止のため飼養・衛生管理を改善する。

2007 vol.61 ザ・ポウルトリーより引用

日本鶏保護連盟 URL